武蔵野簡易裁判所 平成11年(ハ)705号 判決 1999年12月15日
主文
一 被告は、原告に対し、金18万4,122円及びこれに対する平成11年3月27日から平成11年4月26日まで年18パーセントの割合による金員並びに平成11年4月27日から支払済みまで年36パーセントの割合による金員を支払え。
二 訴訟費用は被告の負担とする。
三 この判決は仮に執行することができる。
事実及び理由
一 請求の趣旨
主文と同旨・仮執行宣言。
二 請求原因の要旨
1 原告は、貸金業者である。
2 原告は、被告との間で、平成11年2月12日融資限度額金20万円を限度とする次の要旨のリボルビング契約を締結し、原告は、被告に対し、右同日金20万円を貸し渡した。
(一) 利息 年39.97パーセント
(二) 遅延損害金 年39.97パーセント
(三) 返済方法 残高スライドリボルビング方式
(四) 返済場所 原告契約店に持参又は送金
(五) 約定弁済額 融資残高が増加しないときは、頭書融資金額の4.2パーセントとし、融資残高が増加したときは、増額後の融資残高の4.2パーセントとする。
(六) 弁済期日 毎月26日(初回は平成11年2月26日限り)
(七) 期限の利益喪失 右弁済を1回でも怠ったとき
3 被告は、平成11年4月26日に弁済せず、同日の経過をもって期限の利益を喪失した。
4 よって、原告は、利息制限法に基づく再計算をした上、被告に対し、金18万4,122円及びこれに対する平成11年3月27日から平成11年4月26日まで年18パーセントの割合による金員並びに平成11年4月27日から支払済みまで年36パーセントの割合による金員の支払を求める。
三 請求原因事実に対する認否
1 請求原因1の事実は不知
2 請求原因2のうち(五)の事実を除いて、契約の成立は認めるが、その効力は争う。なお、貸付日及び貸付額は一応争う。
3 請求原因3の事実は一応争う。
四 被告の主張及び抗弁の要旨
1 原告の計算は、初日不算入の民法140条に反した違法な計算である。
2 原告の被告に対する本件貸付当時、被告はかなりの金額の債務を負っていたものであり、原告において、それを知悉していたか又は簡単な調査により右事実を知り得たのに、あえて、被告に対し本件貸付を行い、また、その結果本件訴訟を提起したことは、権利濫用に該る。
五 当裁判所の判断
1 証拠及び弁論の全趣旨によれば、原告の主張する請求原因事実は認められる。
なお、被告の、原告の計算は初日不算入の民法140条の法意に反するとの主張は、金銭消費貸借における利息は元本利用の対価であり、借主は元本を受け取った日からこれを利用できるのであるから、特約のない限り、右契約の成立した日から利息を支払うべき義務があると解するのが相当であるのでこれを採用できない。
2 抗弁について
被告の主張する事実を認めるに足る証拠はなく、被告の権利濫用の抗弁は成立しない。
3 以上により、原告の請求は、その余の点を判断するまでもなく理由があるので、これを認容し、主文のとおり判決する。
(裁判官 中井節雄)